失せものメモ

なにごとか書く

散髪、3cm

21歳、美大生、昼は雑貨屋勤務、飼い猫はクリーム色。

夜勤先の同僚とは殆ど私事で話すことがないのだけど、このまえ偶然帰りが一緒になった。
唐突に発表された先述の人物像が、彼女が想像していた私のプロフィールらしい。
実際には全然違っていて笑ってしまったけど(猫はハチ割れだし)、言われてみると、そういう風に見えそう、という気はする。
いやさすがに21歳は無理があると思うけど。


羊毛でできた、ベージュの手袋を貰ったのを思い出した。
あなたのイメージで選んでみたと言ってくれて、それは嬉しかったのだけど、手首に可愛らしい刺繍のついたもので、私には少し、使うのに勇気が要るものだった。
その前の年、自分で買った手袋は、愛想控えめシンプルイズベストな黒の豚革製。
そろそろだいぶんくたびれてきたけど、今年もこれを使うつもりでいる。
余計な愛想笑いをしがちだから、身に付けるものくらいは正直でいいかと思って。



友人宅でアイロンがけをした。
ブラウス4枚と、ハンカチ7枚。
うちにはそもそもアイロンがないし実家でも数えるほどしか使ったことがないのだけど、アイロンがけは好きだ。
しわが伸びるのっておもしろい。

彼女のハンカチはどれも趣味がよくて、私は彼女が、どんなときにどのハンカチを持ち歩くのかを想像しながら、できるだけ丁寧にアイロンをあてた。
もしかしたら、というかたぶん、特に選んだりはしないのかもしれないけど。

ちなみに私は、気分がいい日には船の柄の黄色いハンカチを連れてゆきます。
アイロンがないから、干すときと畳むときに申し訳程度にしわを伸ばしただけの仕上がり。
でもたぶんこの先もアイロンは買わない。