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猫のいうところの「あんたのこと好きやで」のサインを、友人相手にやってみたのだけど、彼女は猫ではないので、ゆっくり瞬きするわたしを見て「ねむたいの?」ときいた。
友人が猫ではないことはもちろんわかっていたけど、それで、ああ、猫でない友人に瞬きをしてもコミュニケーション方法としては認識されないのだなあとわかって、なんだかおもしろかった。
ねむたいかどうかでいうと、まあぼちぼちねむたかった。友人はただしい。
ときどき、どうしようもなく自分がこころもとないことがある。
眠たいのに眠れない夜のようなままならない感じ。
自分を自分として認識し続けるということはたぶんとても面倒なことで、普段は意識せずにいられても、なにかの拍子にやり方が遠くなる。
ときどきある、そういうことは、わりとよくあるときどきなので、気にしないでいればどうということもないのかもしれない。
でもときどき、のうちのいくつかには、どうしても寂しくなってしまうので、そういうときにはエイリアンのことを考えます。
わたしに住んでいるエイリアン。
わたしに住まなくてもいいのに、わざわざわたしに住んでいる、わたしのことが気に入っているらしい、エイリアン。
エイリアンが気に入って住むくらいなので、なんだか大丈夫な気がしてくる。
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川上弘美の『猫を拾いに』を買った。古本屋で。
ページの間に押し葉が挟まっているのを見つけてしまったから、レジに向かわずにはいられなかった。
薄紙でもなく、ただのティッシュに包まれた、ちいさな四つ葉のクローバー。茎が長くて、少しだけ褪せた優しい色をしている。
想像するのはたのしい。
クローバーを挟んだ人と本を売った人は同一か。クローバーを見つけた人と押し葉にしようと思った人は。本の持ち主だった人とクローバーを見つけた人は?
クローバーの生えていた場所。公園か、川辺の原っぱか、街路樹の根元か…。
まだ肌寒い午後、よく晴れた朝、夕方の帰り道。
たまたま見つけたのか、苦心して見つけ出したのか。
クローバーを見つけたことを、それを押し葉にしたことを、誰かに話したりしたのかな。
本も押し葉もまだ新しい。ページの間に挟まれてから私の手元にくるまで、そんなに時間は経っていないかもしれない。古本屋の店主が本棚におさめて、私がクローバーを見つけるまで、何人かがこの本を手に取ったかもしれないし、そのうち何人かはクローバーにも気づいたかもしれない。
すべての古本は"誰かの物語かもしれない物語"を持っていて、だからわたしは古本が好きだ。
これまでの忘れ物コレクション
•幸太郎さんの通勤定期(とっくに期限切れ、念のため)
•ボールペンで女性の横顔が描かれた紙製の栞(きれいな人で、心なしか思案顔のように見える)
•『戦場のピアニスト』のパンフレットに、映画チケット二枚(これは想像のパターンが無限大)
•買い物メモ(おそらく夕飯の食材)
散髪、3cm
21歳、美大生、昼は雑貨屋勤務、飼い猫はクリーム色。
夜勤先の同僚とは殆ど私事で話すことがないのだけど、このまえ偶然帰りが一緒になった。
唐突に発表された先述の人物像が、彼女が想像していた私のプロフィールらしい。
実際には全然違っていて笑ってしまったけど(猫はハチ割れだし)、言われてみると、そういう風に見えそう、という気はする。
いやさすがに21歳は無理があると思うけど。
羊毛でできた、ベージュの手袋を貰ったのを思い出した。
あなたのイメージで選んでみたと言ってくれて、それは嬉しかったのだけど、手首に可愛らしい刺繍のついたもので、私には少し、使うのに勇気が要るものだった。
その前の年、自分で買った手袋は、愛想控えめシンプルイズベストな黒の豚革製。
そろそろだいぶんくたびれてきたけど、今年もこれを使うつもりでいる。
余計な愛想笑いをしがちだから、身に付けるものくらいは正直でいいかと思って。
友人宅でアイロンがけをした。
ブラウス4枚と、ハンカチ7枚。
うちにはそもそもアイロンがないし実家でも数えるほどしか使ったことがないのだけど、アイロンがけは好きだ。
しわが伸びるのっておもしろい。
彼女のハンカチはどれも趣味がよくて、私は彼女が、どんなときにどのハンカチを持ち歩くのかを想像しながら、できるだけ丁寧にアイロンをあてた。
もしかしたら、というかたぶん、特に選んだりはしないのかもしれないけど。
ちなみに私は、気分がいい日には船の柄の黄色いハンカチを連れてゆきます。
アイロンがないから、干すときと畳むときに申し訳程度にしわを伸ばしただけの仕上がり。
でもたぶんこの先もアイロンは買わない。
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遠出するときの荷造りで楽しみなのは、本を一冊選ぶこと。
読む読まないにかかわらず、文庫を持ち歩くのはいつものことだけど、旅行となると別だ。
帰ってきて荷をほどき、本棚に戻されたその本を次に開くとき、わたしはきっと旅行のことを思い出すし、本の雰囲気が旅行の記憶に合うなら、それはより印象深い思い出になっているはずだから。
帰りの飛行機まで、本はかばんのポケットに入れたままだった。
前の持ち主が栞代わりにしたらしい通勤定期券が挟まっていたのが気に入って買った。幸太郎さん。54歳。
もちろん捨てずに、栞代わりにしている。
離陸して、眠ろうかと思ったけれどうまくいかず、短編の幾つかを読んだ。ふと、通路から添乗員さんの声。
幸太郎さん、いらっしゃいますか。定期券の落し物です。
すみません、わたしのです。
明らかに幸太郎さんではないけども、添乗員さんの戸惑いとわたしの苦笑いの後に、栞は無事、神様に戻った。
7・8月観た映画
映画レビューブログは別にあるねんけども、ほんとにただのメモだからこっちで。
☆付きは劇場で観たもの。
人工知能に人間の形を持たせること。人間とそうでないものの境界。人間の認知について。
一生語れるSF。
理想のターミネーターT-800やっぱりかっこええな〜〜
キャリー(2013)
不安定なもの、未完成なもの、変化しようとするものの、そのとき一瞬だけの魅惑。期待と抑圧を映した瞳の美しさ。
公開当時観た予告のエレベーターのシーンがずっと忘れられなかった。真剣だけど楽しい。エネルギーを持て余してる!
あかんやつ。めっちゃすき。ケーブル予算投資のつもりで通った。
劇場で観たいやつだろうなって思ってたけどやっぱりそうだった。どこに連れて行かれるのかわからないまま、気がついたらもう船の上。
登場人物それぞれの目線で何度でも楽しめる。リズム、高揚、物語の終わりの寂しさ。
キャリー(1976)
圧倒的。あまりにも悲しくてきれいで打ちのめされる。たすけて、って唱えながら観ていた。
ミスト
辛すぎるので二度と観たくない。トラウマ映画。生命と尊厳をかけた選択をいくつもいくつもこなしていかなきゃならない主人公に感情移入すると死にます。
ちょっと寝た。考察向きでもあるし、登場する生き物や道具への興味だけでも充分惹かれる。服をつくってくれる虫のようなものはぜひ飼いたいと思った。
ねえ〜ジャック・ブラックさいこうやんな〜〜
打ち破る、突き進む、ロック!
観る順番間違えました。バットマンがめちゃくちゃ探偵。みんなバッツのこと大好きなんだな、よかったな。
ゴーストバスターズ(1984)
かわいいあいつも強面なあいつも、ほんとにみんなCGじゃないの?ややや…
これ劇場で3回観たんじゃ。って30年後くらいに親戚の子供に自慢しようと思っている。観たことないものを観るってなかなかできないから、すごいよ、嬉しい。
LEGO JLクローンとの戦い
レゴだからできること、めいっぱい楽しんでるう〜!裏の裏の裏の裏の…裏の裏まで考えて面倒くさいバットマン。
ちょいちょい気にかけてくれるスプスかわいいのとロビン愛おしい
午前十時の映画祭で。1作目の上映期間は寝坊しまくって観られなかった。体験型映画だな〜!楽しくてしょうがないもんこんなの。
ひたすらウワー!カッケェー!って叫ぶやつ。
バギーラが適度に褒めてくれる音声プログラムください。吹替えで観たけど、エンドロールのスカーレット・ヨハンソンのTrust in meで融けた。
ドクはいつも元気だな。
マーティはただ短気を治せただけじゃないんだって、全編通して観てきて伝わる。タイムトラベルロマンと個々人の変化の描き方、バランスがたまらない。
JL ゴッド&モンスター
ジャスティスリーグのIF世界。気怠げなルーサー…。
あんまり怖くなかった。自分で歩くタイプのお化け屋敷みたい。入ったらもう、ゴールまで道は決まってる。
めちゃくちゃ泣いた。こうだったらきっといいのにって、思うことすら躊躇うような願望を、水の中で叶えてくれた。
X-men アポカリプス☆
エンサバーヌールって声に出したくなる響きやな。エンサバヌー。
ごついバットマン最高だな…つよい…アルティメットエディションを観たので、劇場版もそのうち観る。
パレードへようこそ
「ようこそ」が重い。本気の歓迎だから。同じものになれなくても、一緒に歩くことはできる。
デレデレした。あかんやつです。
旧作の可愛いあいつ、相変わらずの憎らしさで安心しました。
人生ままならないな〜!でも自分の人生なんだよな〜!筋肉はいいぞ…
以上!
たのしかった〜〜
就業後、友人と食事予定
ブログを始めるにあたって、書こうと思っていたことがいくつかあったのだけど忘れてしまった。
しょうがないので、いま思いついたことを書きます。
日記は一週間で飽きてしまうし、サイトは放置したあげく編集パスワードを忘れるし、大学のレポートもまともに書き上げられないようなものだから、ブログだっていつまで続くかわからない。
思考があやふやだから文章としてまとめるのが苦手で、しかもいつまでも推敲してしまうのがいけないんだと思う。
なのでここでは、思いついたそのままを、矛盾や語感の悪さを気にせず…できるだけ…素直に書く練習をしたい。
さっそく次の記事で以上のことを丸ごと無視してるかもしれないけど。
いつ失くしてもいいもの、くらいの気持ちで、気軽に書くね。
えーと、さて。
どうしようかな。暑いね。
京都に住んでるんですけど。
猫がいるから、空調はほぼ付けっぱなしで、自宅は快適。
猫はいいよな。
手触りが、ほんとに、なんだろうあれ、すごくいい。
撫でてると、ざりざり、舐めてくれるのもいい。
起きたくない朝に、朝はいつでも起きたくないけど、アラームを止めた手で猫を撫でる。
ざりざり、ざりざり、してもらってると、きょうも頑張ろうって思えたり、どうにかして休んで猫と一緒にいたいなあって思ったりしますね。
毎日起きて、したくをして出かけるなんてすごい。
えらいぞ。
おなかすいたな。
駐輪番号140
きっと覚えていられないようなことを書く
忘れてしまってもいいようなことを